臭くて白い塊が、咳をした拍子に口の中からポロっとでることがありませんか?
食べ物を食べている時に、石みたいな塊を噛んだらすごくクサイ感じがしたって経験は?
安心してください。それは別にあなただけに起きているわけじゃないし、誰にでも起こる人間の防衛反応です。
ただ、この白い塊、めちゃくちゃクサイんですよね・・・。
口臭の原因の約80%以上は、口腔内由来の気体といわれており、その原因の多くが、歯周病や舌苔だと言われています。
それ以外の理由としては、この臭い玉も口臭の原因になることがあるんです。
だからといって、取り除くのが最善かといえば、ちょっと待ってください!!
口腔内って粘膜ですからね。見えるところにあるからって、綿棒やピンセットで取ろうとするのはメチャクチャ危険です。
それに、取れたところで、すぐにまた出てくるなら、口の中を傷つけるリスクを冒すだけ損じゃないですか?
この記事では、臭い玉ができた時の、安全な取り除き方と、その予防方法を紹介します。

目次
臭い玉ってそもそもなんでできるの?

インターネットで検索すると、臭い玉(においだま、くさいたま、くさ玉)としてヒットしてくる、この口の中にできる白い塊ですが、正式には、膿栓といい、扁桃腺のくぼみにできる細菌や白血球の死骸、食べカスなどが集合した塊なんです。

「いやいや、まてまて。くぼみ?死骸?」って感じですよね。安心してください。
扁桃腺のくぼみは、人間に備わっている防衛機能器官の一つです。そしてどんな人でも、扁桃がある限り、膿栓はできます。
人の免疫機能として、口腔内に侵入してきたウイルスや病原菌と戦うため、喉の奥の方にある、扁桃腺のくぼみ、陰窩(いんか)から免疫物質をだします。
戦った免疫細胞の残骸や食べカスが、陰窩(いんか)に溜まっていくことで、膿栓となるのです。

どんなニオイ?SNSの声を拾ってみた
臭い玉が出たくっさ
— じんちこめひ (@JinChicoMehiTKG) 2019年3月21日
今年一番の大きさの膿栓でた。ばりくさい
— ふっくー (@fuksyun) 2016年11月6日
のどの痛みが急に取れたのは、ひき肉のような小さい塊が不意に口から出た時だ。
白くて非常に臭かった。
例えるなら下水道。
臭い玉というものだろうか。大きかった。
歌う時喉がゴホゴホいうあれも臭い玉のせいならいいのに。
とれてすっきり、前のようにゴホゴホしなくなればいい。— 和久裕子 (@rin_rindo) 2015年10月29日
SNSで探してみても、臭い玉がどんな臭いかはわかりませんでしたが、とにかく臭いことだけはわかりました。
私のイメージは、「唾が乾いた時の、メチャクチャ臭いにおいのさらに10倍臭い感じ」だと思っています。

臭い玉ができやすい人・できにくい人っているのか?

臭い玉が、どんな人にでも出来るのはわかったけど、周りの人に「お~い、臭い玉の処理どうしてる?」ってフランクに聞きにくくないですか?
私は聞きにくいです。だって、周りの友人が、臭い玉のできない人だったら、それこそ、エイリアンを見るような目で見られてしまうこと請け合いだからです。
でも、そもそも、臭い玉ができやすい人とは、どういった人なんでしょうか?

- アレルギー性鼻炎や蓄膿症で後鼻漏になっている。(喉に鼻汁が付く)
- 口呼吸やいびきで喉が乾燥する。
- 舌苔が多く付いている。(口腔内に細菌が多い)
- 水を飲まない。
- 免疫が低下している。(病後も含む)
特に、口呼吸になってしまっている人は、病原菌やウイルスとの接触頻度も多く、それを流してくれる唾液も少ないことから、臭い玉ができやすい人とされています。
起きている時は鼻呼吸でも、寝ている時口呼吸の人(いびきがひどい人や、朝起きたら口がカラカラといった人)も該当しますよ!
他には風邪を引いた後や、扁桃腺が腫れた後も、膿栓が出来やすいタイミングだったりします。

臭い玉と口臭の因果関係について

大学病院の病院統計によると、口臭検査・診断・治療を求めて来院された患者さん(約1,000名)の約1/3が口腔内の清掃状態不良に伴う口臭(生理的口臭)、1/3が口腔内の病気(歯周病)に由来する口臭、1%強が代謝性疾患・耳鼻咽喉系疾患・呼吸器系疾患など呼気由来の口臭であり、一方1/3が治療の必要な口臭は認められなかったと報告されました。
出典:厚生労働省 生活習慣病予防のための健康情報サイト(e-ヘルスネット)『口臭の原因・実態』
とはいえ、臭い玉(膿栓)が直接的な口臭の原因となることは、実はそんなに多くはありません。
上記の大学病院の統計を例にとっても、耳鼻咽喉系疾患由来の口臭(膿栓は耳鼻咽喉系疾患の分類)が1,000名中1%強(10数名)程度です。
膿栓が、自身の口臭の原因と感じ、「とにかく取り除かなきゃ」と思っている方は、一度、歯周病などの別の原因を確認してみてもいいかもしれません。

臭い玉を安全にかつ確実に取る方法

「口臭云々はいいから、喉のイガイガをなんとかしたいんだよ!」って声が聞こえてきそうです。すみません。
では、膿栓はどうやって取り除くべきなんでしょうか?
インターネットで検索すると、「綿棒で押し出す」や「ピンセットで取る」などがでてきます、聞いただけでも縮み上がる方法がヒットしますが、その方法はメチャクチャ危険です。
舌もそうですが、喉も粘膜です。目に綿棒やピンセット押しあてる人なんていないですよね?
粘膜なので簡単に傷がついてしまいます。その傷から細菌がはいれば、炎症を起こしますし、また膿栓ができてくるしで、その戦いはエンドレスです。

基本的には放置!でも大丈夫?

安全に取り除くには、食事などと飲み込んでしまうか、咳した拍子に出てくるのを待つのが一番です。つまり放置ですね。
「扁桃腺が腫れて痛みがある」や「違和感が続く」といった症状がないのであれば、基本的に誰にでもできるものなので、過剰な心配をせずに待ってみてください。
見つけた時は「今すぐにでもなんとかしたい!」という気持ちになりますが、意外に、気づけばなくなっているといったことも少なくないですよ。
気になる場合は「うがい」がもっとも安全な取り方

「うるせー!今すぐとりたいんだよ!ライトナウッ!」という方は、しょうがないので、うがいを試してみてください。
扁桃に水流を当てるような意識で、「あああああーっ」「おおおおおーっ」と発声するように、強くうがいをします。
水を吐き出す際にも、オエッと絞りだすように吐くと、一緒に臭い玉がとれます。
ただ、それでも取れない!という人もいると思います。
そんな方に、比較的安全で、確実性の高い方法をお伝えしましょう。
医療機関の推奨などは全くありませんが、普段私に膿栓ができた時は、こんな感じで取るようにしています。
丸型洗浄瓶に水を入れて膿栓に当てる取り方
私も膿栓除去のために、色々と取り方を模索していました。
そんな中でも「丸型洗浄瓶」を使った取り方が一番確実で、喉を傷つけることなく膿栓を取り出すことができるような気がします。
やり方は簡単で、丸型洗浄瓶に水を入れて、喉の奥の膿栓めがけて噴射するだけです。(お風呂場でやった方がいいです)
コツは、あまり強く噴射せず、膿栓の中心をめがけるのではなく、少しずらして押し出す感じに当てることです。

絶対にやらない方がいい膿栓の取り方
- 綿棒で押し出す
- 耳かきで掻き出す
- ピンセットで引き抜く
- つまようじでつっつく

耳鼻咽喉科へGO!

中には、「自然になくならない」「うがいじゃ全然とれない!」って人もいると思います。
そういった場合は、耳鼻咽喉科で除去してもらってください。
病院によっては対処してもらえない場合があるので、事前に「膿栓を取る治療を行っているか。」を確認する方が無難です。
治療自体を行っていたとしても、「大丈夫ですよ~」と言われてしまうかもしれないですが、扁桃炎がヒドイ場合や、膿栓での口臭がヒドイ場合には、除去・洗浄してもらえるケースがあります。(またできてくるので、一時的な対処になりますが)
臭い玉とオサラバ!予防方法とは?

膿栓ができるのは、人間の免疫機能上、あたり前のことです。
とはいえ、膿栓ができては取って、またできては取ってを繰り返していては、きりがありません。膿栓は取り除くだけでは、根本的な対策にならないんです。
あくまで、喉への病原菌・ウイルスの侵入を減らし、口腔内を清潔に保つことが、真の意味での対策になるのです。
口呼吸から鼻呼吸へ
口呼吸をやめ、鼻呼吸にするだけで、膿栓の改善がみられることがあります。
鼻呼吸をすることで、鼻毛や粘膜がフィルターの役目をして、ほこりや細菌・ウイルスなどの異物を除去してくれるため、扁桃が過剰に頑張らなくても済むためです。
他にも、鼻呼吸で吸った空気は、鼻腔の中で適度に加温・加湿されてから肺に送られるため、肺の負担を減らし、免疫力低下を防いでくれるのです。
実は鼻は、超高性能な加温加湿機能つき空気清浄器なのです。
それに、ご存じでした?口呼吸は万病のもとともいわれており、膿栓だけじゃなく、他の様々な病気を引き起こすともいわれています。
口呼吸は、関節リウマチや花粉症、アトピー性皮膚炎、気管支ぜんそく、過敏性腸症候群、潰瘍性大腸炎、尋常性乾癬、ドライマウス、慢性副鼻腔炎、歯周病、いびき、睡眠時無呼吸症候群などさまざまな病気の発症と関係があります。
出典:みらいクリニック医院長 今井一彰『正しく鼻呼吸すれば病気にならない』(河出書房新社,2012)
上の症状以外にも、今井先生は同署内で、「インフルエンザ」「うつ病」「顔のつくり」にも影響を与えるとおっしゃられています。
一時的な鼻づまりによる口呼吸は別にしても、口呼吸であることは危険どころか、別の深刻な不調をきたす要因にもなりえます。
口呼吸であるだけで、膿栓だけでなく、様々な病気の根源になるのであれば、この機会に一度、自身の「呼吸」について見直してみるのもいいかもしれません。
いびきがうるさいって言われる人は、口呼吸になっていることが多いですよ。
『鼻うがい』も効果的
鼻うがい(鼻洗浄)も効果があるとされています。鼻から喉にかけて、洗い流すことで、喉の清潔性が保てるのと同時に、鼻の通りがよくなり、鼻呼吸を促すことも期待できるからです。
鼻洗浄の専用器具も売り出されており、専用器具+洗浄液の値段は1,000円前後~5,000円程度と様々ですが、鼻洗浄を初めて挑戦しますといった方は、トライアルな意味も兼ねて、1,000円以下のもので試してみてはどうでしょうか?
安いものでもその効果は実感できるかと思います。
小林製薬が発売している、「ハナノア」は街中のドラッグストアでも購入できるので、手が出しやすいとおもいます。
小林製薬「ハナノア」の商品レビュー

比較的手に入りやすく安価な、小林製薬の「ハナノアa」を実際に購入してみたので、商品のレビューをお伝えしたいとおもいます。
価格は?
メーカーの希望小売価格は、1080円(税込)ですが、実勢価格としては大体750円前後くらいでしょうか。
ハナノアaハナノアb

通常タイプのハナノアaと、シャワー容器タイプのハナノアbがあるみたいです。
値段はどちらも大してかわらないですが、ハナノアaの容器が20mlまで入るのに対し、ハナノアbの容器が50mlまで入る仕様になっています。
ノズル形状が1つ穴形状(a)か、シャワー形状(b)の違いで、1プッシュしたときに出る水の量が違うんだと思いますが、メーカーサイトでは、しっかり洗いたい人はハナノアaってことだったので、そちらを購入しています。
最初は恐怖です。

「アー」と声を出しながら流し込むと、うまく鼻から口へと流れてくれるみたいですが、最初はすごい恐怖でした。
プールとか海で、鼻から水がはいってツーンとしてむせ返った記憶があるからなんですかね?
実際はメチャクチャ簡単
やってみればわかるんですが、実際はツーンとしないし、鼻に容器突っ込んでプッシュするだけなので、すごく簡単です。
コツは目薬みたいに上を向かず、ノズルだけを横~やや上に向けて鼻に流し込む感じです。
ただ、CMの女優さんみたいに、キレイに右穴から左穴へっていう感じではないですね。あれは相当鍛錬が必要なのでは!?
鼻からも口からもツーっと出てくるので、見た目には相当きたないです。私は鼻水も一緒にでてきます。
最後は喉の奥に洗浄液が残っている感じがするので、カーッ、ペッ!と痰を出して終了といった感じでしょうか。
うん。汚いですね。
使用感は?
使ってみての最初の感想は、ミントの香りと、洗浄液のしょっぱさで、頭が混乱してる変な感じでした。
ただ、使用感はすごくいい!
高原の朝に深呼吸したような爽やかさがあります。メチャクチャ清々しいかんじです。
効果については、使い続けてみないとわからないところはありますが、花粉症や鼻炎の人には、このスッキリ感を味わってもらうだけでも、価値はあるんじゃないかと思います。
歯周病予防にも効果的な『毒出しうがい』
テレビなどに出演している方なので、お聞きになったことがる方もいるかもしれませんが、歯科医師である照山裕子先生が考案・推奨する『毒だしうがい』も存外に良いです。
私自身もこの方法でうがいを実施していますが、通常のうがいよりも歯の隙間の食べカスがとれます。
少なくとも、イソジンいれて、ただクチュクチュとうがいするよりは100倍お勧めできます。なによりコストかかりません。
喉の洗浄といった意味では少し違いますが、口腔内を清潔に保つ、といった意味では非常に効果が実感できます。
「うがい」もただするだけでは効果がないんですね。たまたま目にした「毒だしうがい」を数日やってみた。歯間に挟まったゴマが取れるほど勢いが違うと感じました。
水だけで虫歯&歯周病を防ぐ!話題の「毒出しうがい」とは https://t.co/hyhaRFvHrX #毎日が発見
— automatic_overdrive (@automaticoverd1) 2019年3月15日
この前なテレビで”毒だしうがい”って言うて、水を含んで上下左右ブクブク音が出るように口の中でうがいをするんだけど…やってみな!ほっぺたが痛くなるよ。🤗
— こてシャねーさん (@arako_go) 2018年5月29日

まとめ

臭い玉(膿栓)を無理やりとることのリスクは理解できたでしょうか?
喉の粘膜が傷ついてしまえば、その膿栓は今よりさらに悪化することになるかもしれませんし、取り除くだけでは根本的な対処になりません。
膿栓ができないように、喉と細菌の接触頻度を下げてあげることが重要になります。
つまり、鼻呼吸を意識する(鼻のフィルター機能をつかう)こと、そして口腔内を清潔に保つことが何より大切なんですね!
