「オレってもしかして口が臭いかもしれない・・・。」
自分がオヤジ化していることに、うすうす感づいているとはいえ、陰でこっそりと「○○さんは口が臭い」なんて言われていたら耐えられないですよね?
口臭には、そもそも専門医にみてもらう必要があるものと、自分自身で対策をたてなければならないものの両方があります。
その原因が、あなたが普段たべている食べ物や飲み物にあるとすれば、自分自身で対策をたてなければなりません。
でも大丈夫です。原因が何なのかを知り、その対処方法を理解することで、口臭は簡単に防ぐことができるんです。

目次
そもそも、口がクサくて何が悪いの?

臭わない方がイイに決まっているのはわかるけど、じゃぁ具体的に何が困るのか?
ちょっとパッとは思いつきませんよね?
どうせ、「〇〇さんは、口が臭い」って言われる程度でしょ?と開き直っている方、実はそんな甘いものじゃないんです。
「オーラルプロテクトコンソーシアム」という団体が、過去に興味深い調査を実施しています。
また、日本人 20 代~40 代の男女 600 名に対し、「口臭をきっかけに、その人に対してどのように印象が変化しましたか?」と質問したところ、「周囲への気配りや配慮が足りない」と 6 割以上が回答しました。
さらに、「人から尊敬されなさそう」(15.8%)「仕事が出来なさそう」(11.5%)と、仕事に直結するマイナスの印象も生み出していることが分かりました。
しかし、口臭に対して直接指摘するハードルは高く、約 9 割が「口臭を指摘できない」と回答する等、主張できず、同僚の口臭に泣き寝入りしている方が多数いることも判明しました。
そして、口臭を持った人に対し、3m以上距離を保ちたいと約 3 割が回答し、対象者と距離をとることでスメハラ対策を行っている実態が浮き彫りになりました。
出典:オーラルプロテクトコンソーシアム『ビジネス現場の歯ぐき臭(=口臭)問題』(2015)
「○○さんって口くさいよね~」と陰でコソコソ笑い話にされる程度ならまだかわいいもので、「口が臭い」=「仕事ができない」と、勝手にレッテルを貼られてしまうのです。
しかも、そのことを優しく指摘してくれる人は、ほとんどいません。
勝手に仕事でいない認定された上に、指摘もしてもらえないのであれば、自分自身で口臭に気づいて、臭わないように予防・対策するしかないですよね。
あなたの口臭の原因は?

では、口臭にはどんなものがあるんでしょうか?
日本口臭学会の定義によれば、大まかに6つに分類されます。
生理的口臭 一般的 加齢性・起床時・空腹時・緊張時・疲労時など ホルモンの変調などに起因する 妊娠時・月経時・思春期・更年期など 嗜好品・飲食物・薬物による にんにく・アルコール・薬物(活性型ビタミン剤など)など
病的口臭(器質的・身体的) 歯科口腔領域の疾患 歯周炎・特殊な歯肉炎・口腔粘膜の炎症・舌苔・悪性腫瘍など 耳鼻咽喉科領域の疾患 副鼻腔炎・咽頭・喉頭の炎症・悪性腫瘍など 全身(内科)疾患 糖尿病・肝疾患・腎疾患など 出典:日本口臭学会『口臭への対応と口臭症治療の指針2014』(2014)
生理的口臭
「生理的口臭」のうち、「一般的な生理的口臭」や「嗜好物・飲食物・薬物による生理的口臭」であれば、誰もが一度は思い当たることがあるのではないでしょうか?
そうです。「一般的な生理的口臭」というのは、口の中がカラカラになったときに匂ってくるアレです。
唾液の分泌量が減ってしまったときに起こりうるもので、絶世の美女だろうが、当代随一のイケメンだろうが、便意をもよおすのと同じように、誰にでも起こります。
ただ、におっている期間も一時的なことが多いので、まわりの人に後ろ指さされる程のことでもないでしょう。

「嗜好物・飲食物・薬物による生理的口臭」は、ちょっと厄介です。
嗜好品というのはタバコやアルコールなどを指し、飲食物はにんにくやコーヒーなどの一般的に香りが強い食事をさします。
中には決して香りが強いとはいえないものも、口臭の原因になることがありますので注意が必要です。
ちなみに、薬物はビタミンB剤や一部の漢方薬などを指します。医薬品はその有用性を最大限発揮するために、さまざまな硫黄や窒素成分が含まれていることがあり、臭いを発生させてしまうことがあるんです。

病的口臭
もう一方の「病的口臭」については専門医でなければ診断は難しいですが、ご自身で、どうにも「生理口臭」ではないと感じるのであれば、一度専門医に診断してもらうことを強くおすすめします。
というのも、厚生労働省「平成23年歯科疾患実態調査」によれば、35歳以上の約8割の日本人は「歯周病」という驚くべき調査結果まであるからです。
歯医者は足が向かないところの一つだと思いますが、「歯周病」は自分では、なかなか気づきにくい病気の一つなので、歯石をとってもらうついでに、みてもらっちゃいましょう。

口臭を引き起こす食事とは?

香りが強い食べ物や飲み物は、ご自身が思うよりも口にする機会が多いはずです。
では、どう言った食事が、口臭を悪化させてしまうのでしょうか?
言わずもがなですよね。食べなければいいんでしょうが、にんにく料理はなんたって旨い!
「餃子」や「ラーメン」なんて週に何回も食べるよって方も、たくさんいらっしゃるんじゃないでしょうか?
にんにくやネギなどのニオイのもとである「アリシン」という成分は、口の中だけで留まってくれるならまだいいんですが、腸から身体に吸収され、血液を通して体中隅々にいきわたるため、体臭としてもニオイを発生することになります。
その持続力はその人の代謝能力にもよりますが、数時間~十数時間というから、本人が思っている以上に周りは嫌な顔をしていますよ。
乳製品もまた、ニオイを引き起こす可能性があるんです。
通常口腔内に自然と存在する細菌が、牛乳やチーズに含まれるタンパク質を分解し、腐ったような臭いを発生させます。

意外かもしれませんが、ケーキやパンなども口臭は発生させる原因になることがあります。
食べている間に口腔内の唾液を吸いとってしまって、一時的にニオイを発生させるんですね。
それに口の中に食べカスが残りやすく、それもまた、口臭の一因になってしまうんです。
コーヒーに含まれるコーヒー豆の微粒子が、舌上に残ることでニオイを発生してしまいます。
フィルターで濾そうが、缶コーヒーであろうが、インスタントコーヒーであろうが、種類に関係なく含まれるので、仕事中にコーヒーを何杯も飲むという方は、自分が思っている以上に、他の人から口臭がきついと思われているかもしれません。

「酒臭さ」は、どなたでも一度は不快に思ったことがあるのではないでしょうか?
アルコールを分解するときに発生するアルデヒドが血液を通して、体中に巡ることで口臭どころか体臭となって臭ってきます。
口臭の予防・対策してくれる食事

にんにく臭を消す”食前”に飲むといいもの
口臭の原因にもなる牛乳ですが、にんにくやネギに含まれる臭み成分の「アリシン」が、たんぱく質と結びつきやすい性質をもっているため、牛乳のたんぱく質や脂質が、「アリシン」を包み込んでくれる役割を果たします。
にんにく料理を食べることが分かっている場合は、コップ1杯で効果が期待できますので、是非、試してみてください。
ちなみに、「食後」に飲んでも効果は期待できるんですが、「アリシン」と結びつくのに時間がかかるため、「予防」という観点では「食中」もしくは「食前」がもっとも効果を発揮してくれるようです。
お茶に含まれる茶カテキンにより、強い殺菌・消臭効果が期待できます。
茶カテキンの濃度が濃ければ濃いほど、効果も強くなりますので、緑茶がオススメです。
ちなみに、カテキンの含有量の目安として、緑茶(煎茶>番茶>玉露)>ウーロン茶>紅茶となります。
ただ、やみくもに飲みすぎると利尿作用で体の中の水分がなくなって、口が乾いてしまうことで、反対に口臭がきつくなることもあるので要注意です。
臭いが発生してしまう原因としても「牛乳」があげられますが、殊にアリシン対策としては反対に優秀だったりするんですよね。
いちいち覚えるのが面倒であれば、緑茶一択で問題ありません。にんにく料理の前にはコンビニに寄るか、もしくはレストランで緑茶を注文してくださいね。

にんにく臭を消す”食後”の食べ物

リンゴ酸には臭み成分である「アリシン」を分解する作用があるといわれています。
とにかく、すぐにニオイを何とかしたい場合は、すりおろしたリンゴか、100%のリンゴジュースを飲むようにしましょう。
食後のヨーグルトは口のを爽やかにしてくれるだけでなく、口の中に長くとどまるため、牛乳と同じように効果が期待できます。
一方で、にんにくとヨーグルトが混ざったときの味が苦手という人もいるし、ヨーグルトが口の中にまとわりつく感じが苦手という方もいるので、お好みで。
消臭・殺菌効果があるので、にんにく臭にも効果が期待できます。コップ1杯に、大匙1杯程度の、黒酢やリンゴ酢で口をすすぐことでニオイを消し去ってくれます。
リンゴとの相性もいいので、リンゴ酢のジュースにして飲むのもオススメです。
ヨーグルトやお酢は、なかなか手軽にとは言い難いところもあると思うので、100%のリンゴジュースがおすすめです。

口臭発生を”予防”する食べ物
梅干しやレモンに含まれる「クエン酸」には、食べカスとして残ったたんぱく質を分解する働きがあり、消臭・殺菌効果があります。
何より、梅干しは見るだけでも唾液分泌を促してくれますし、食べたときにもその酸っぱさで口の中を大量の唾液でいっぱいにしてくれるので
バクテリアの発生を抑えてくれ、結果的に口臭の発生を抑えてくれるんですね。
口の中を清潔に保つことが重要

歯磨きよりも、ガムで唾液をだしつつ食べカスを洗いながす
口の中で食べたもののカスが残っていると、それが原因となって臭いニオイを発生させてしまうことが往々にしてあります。
歯に挟まったお肉なんかが臭いを発生するのかと思いきや、それは1割程度。
ほとんどが、口の中ですりつぶされて粉末状化した食べカスが、舌や喉の表面に残り、細菌が分解するときにニオイが発生します。
では、食後に早く歯磨きやうがいをすることで食べカスを洗い流すのがいいのかというと、これもまた現代の認識ではちょっと様子が違います。
現在では、食後すぐに磨くことは逆効果で、歯磨きの回数よりも、いかにタイミングよく、プラークをコントロールするかが大事と考えられている。
(中略)
食後は、食べ物の影響で、口腔内が酸性に傾いている。特に現代人の嗜好する甘いものや肉類、アルコールなどは、酸性になりやすい。その状態で、研磨剤や界面活性剤などの入った歯磨き粉をつけて歯磨きしてしまうと、歯のエナメル質を削り、粘膜を傷めてしまうことになる。
出典:桐村里紗『日本人はなぜ臭いと言われるのか』(光文社新書 2018)
口の中の大きな食べカスは取り除きつつ、その上で唾液分泌を促すことが口臭対策につながります。
そのうえで、一番手っ取り早いのはガムを噛むことで、食べカスをまとめてくれるとともに、唾液の分泌も促してくれるので一石二鳥です。

こまめな水分補給

口の中が乾燥してくるとそれだけでニオイが発生してしまいます。
マスクをつけた時、自身の口臭を嗅ぐことがあると思いますが、時間の経過とともにすごく臭ってくることはありませんか?
口の中が乾燥して、臭気が発生している証拠です。
身体の中の水分が不足してくると、臭いの発生を抑制してくれる唾液の量がすくなくなり、結果口臭が発生してしまうのです。
なので、こまめな水分補給が重要になってきます。
ここで注意が必要なのは、コーヒーやお茶は、大量に飲み続けると、その利尿作用から身体の水分不足を引き起こしてしまい、口臭悪化につながる可能性があります。
そういった意味でも、常飲するのはお水が好ましいでしょう。

まとめ

病的な原因でない限り、口が臭くなってしまう原因というのは、ある程度決まっています。
もちろん原因となるような嗜好品やら、食べ物を摂取しないようにするのが一番手っ取り早いんですが、パンやコーヒー、食べないっていうのもキツイのに、微粒子単位になるような食べカスも出さないというのはあまりにも非現実的ですよね。
なのでやはり、食べる前、食べた後のちょっとしたケア、口を乾燥させないように唾液量をコントロールすることが重要です。
周囲に悪臭をまき散らすことのない、大人な清潔男子を目指したいものですね!
